[No,166]
256文字怪談劇場
テイル
ID:fGHk0br7
蒸し暑い季節がやって来ました。それを気分的に涼しく過ごす日本人の智恵「怪談」。制限字数の256文字以内で行ってみましょふ。

実話でも創作でもありだ!

(06/22 18:56)
[書く|削除|新順]
[戻る|次頁]
[18歳以上入場]
No2-06/22 19:14
男/テイル
V905SH-fGHk0br7
昔、私が学校に勤めていたときのことです。

戸締まり確認は、職員室に残った教員達で手分けして行っていました。

2階から上は、日没までに行う。「出るんよ、コレが」先輩職員が手を垂らして笑います。私はそういうのは信じていないんですが。

しかし、私も何度か見ました。1階と2階の間の階段。そこを降りているとき、段に俯せに気をつけの姿勢で横たわる、段と同じ幅の、体操着の女の子を。

それは突然現れるので、慌てて跳び越えることになるのですが、振り返ると消えています。そこは、床材が剥がれているんです。
No3-06/22 19:29
男/テイル
V905SH-fGHk0br7
学生時代、やたら霊感の強い先輩がいました。

構内の裏手には、古い榎が生えていました。それは中に洞があり、危険だから伐ろうという話が出る度に何か事故があってそのままになっているという、いわくつきの木でした。

で、その先輩はその木に近付こうとしませんでした。前に見たそうです。その木から沢山の人がぶら下がっているのを。

関連は謎ですが、そこは学校になる前、旧陸軍の訓練所か何かだったそうです。窓硝子に、行進する軍列が映る、という話もありました。
No4-06/22 19:46
男/テイル
V905SH-fGHk0br7
私は霊とか信じていない割に、怖い話が好きで、その先輩に色々と話を聞きました。と言うか、正直ちょっと好きだったんです、そのエキセントリックな先輩が。

いつものように、教室の移動の際に話をしていたときのことです。先輩が手で私を制して言いました「ちょっと待って、今変わったのがこっちに来よる」

数秒の沈黙の後、先輩が口を開きました。「今な、膝から下だけの人が走って行ったで」

そしてやや表情を曇らせて「その後を、黒い柴犬がついて行ったんやけど…」

私にはそんな犬は見えませんでした。
No5-06/22 19:56
男/テイル
V905SH-fGHk0br7
同僚の話。

同僚の実家のこたつは、掘りごたつらしいんですが、それに一人で入っているときでも、他の人と足が触れ合うことがあるそうです。

怖くないのか聞いたんですが、それは御先祖だとわかるらしく、怖さは感じないんだそうです。

その同僚の家は、神社の分家ということです。
No6-06/23 20:31
男/テイル
V905SH-fGHk0br7
ベッドの中の手の話。


ある不倫カップルが、ベッドの中でいたしていたときのこと。

女は、男の責め方がいつもと違うことに気がついた。何と言うか、憎しみが込められているかのような手の力で、尻を掴まれている。

痛い。女はたまりかねて文句を言った。なんでそんな強くおしりを掴むの!

男は答える。俺そんなことしてないけど。

じゃあこの手は何よ!と女はその手を掴んでぞっとした。細い女の手。

慌てて明かりをつけたが、二人以外に誰もいない。

生き霊であろうという話である。
<戻る|次頁>